自由律俳句とは?その特徴と歴史
自由律俳句は、従来の定型俳句の枠を超えた新しい俳句の形式です。五七五の音数律や季語にとらわれず、自由な表現を追求する俳句のスタイルとして知られています。
自由律俳句の特徴
- 五七五の音数律にとらわれない
- 季語を必要としない
- 文語や切れ字(「や」「かな」「けり」など)を用いず、口語で作られることが多い
- 感情の自由な律動(内在律・自然律)を重視
- 17音より短い作品は「短律」、長い作品は「長律」と呼ばれる
自由律俳句の歴史
自由律俳句の誕生には、以下のような背景があります:
- 河東碧梧桐の新傾向俳句が先駆けとなる
- 荻原井泉水が1911年に「層雲」を創刊し、印象詩としての俳句を提唱
- 種田山頭火、尾崎放哉などの俳人が「層雲」から輩出される
- 中塚一碧楼が「海紅」を主宰し、自由律運動を推進
代表的な自由律俳人
- 荻原井泉水
- 種田山頭火
- 尾崎放哉
- 中塚一碧楼
- 吉岡禅寺洞
- 住宅顕信(近年の代表的俳人)
自由律俳句の例
咳をしても一人(尾崎放哉)
分け入つても分け入つても青い山(種田山頭火)
たんぽぽたんぽぽ砂浜に春が目を開く(荻原井泉水)
現代の自由律俳句
近年では、お笑い芸人の又吉直樹やコラムニストのせきしろが自由律俳句を発表し、注目を集めています。また、ラジオ番組などでも自由律俳句のコーナーが設けられ、新たな層にも広がりを見せています。
まとめ
自由律俳句は、定型俳句の枠を超えて自由な表現を追求する俳句のスタイルです。100年以上の歴史を持ちながら、現代でも新しい展開を見せており、日本の文学の中で重要な位置を占めています。
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